新幹線方式高速鉄道 日本の協力拡大期待

【アーメダバード金子淳】インドを訪問中の安倍晋三首相は14日、西部グジャラート州アーメダバードで日本の新幹線方式の採用が決まっているインドの高速鉄道起工式にモディ首相と参加する。インド初の高速鉄道に地元では経済効果への期待が高まっている。

「日本の新幹線は成長の機会を保証してくれる。インドの輸送部門に革命をもたらす」。ゴヤル鉄道相は11日の記者会見で日本への期待感をこう強調した。

高速鉄道はアーメダバードと商都ムンバイの約500キロを現在の4分の1の約2時間で結ぶ。専用軌道を通し、途中に12カ所の駅を造る計画で、営業最高速度は時速320キロになる見込みだ。2018年着工、23年完成予定だが、ゴヤル鉄道相は「22年8月までの完成も目指す」と意気込む。

インドは鉄道の総延長約6万7000キロ、1日当たりの乗客数約2300万人の鉄道大国。高速鉄道計画はほかに6路線あり、日本は受注を目指している。首都ニューデリーや南部の港湾都市チェンナイなどを起点に主要都市を結ぶ方針だ。

アーメダバードはモディ首相の地盤で、海外企業の進出が進む。一方、ムンバイはインド最大の商都で貿易の中心地でもある。高速鉄道は建設事業だけで2万人の雇用を見込んでおり、インド商工会議所西部地域支部のバギエーシュ・ソネジ支部長は「日本の技術や規律を学べる機会となる。日印協力のシンボルだ」と語る。

だが、高速鉄道の運賃は飛行機並みに高額になるとみられ、「庶民生活への影響はない」との冷めた見方もある。料金が安い在来線は数時間の遅延も日常茶飯事で、事故も多発している。鉄道省によると、2014~15年度の2年間だけで、脱線や衝突など237件が発生し、1045人が死傷した。

印シンクタンクORFのK・V・ケサバン氏は「日本には高速鉄道と同時に鉄道の近代化も進めてほしい。日本にとっても大きな利益になるだろう」と話し、在来線の技術向上でも日本の協力に期待感を示した。